新型コロナウイルスワクチン接種:ワクチン筋注の具体的な方法について(1)
新型コロナウイルスワクチンは、「三角筋に筋注」しなければなりません。
なぜインフルエンザワクチンのように皮下注ではいけないのでしょうか?
実は、注射で行うワクチンについては、生ワクチンなどの一部のワクチンを除いて、日本を除く全世界では、「筋注」が基本なのです。
なぜ筋注が選択されるのか?その理由は、
- 筋層内に投与する方が、免疫効果が高い
- 局所の疼痛や副反応が生じにくい
からです。
インフルエンザワクチンについても、筋注の方が、皮下注よりも予防効果が高い可能性があることを示唆する研究もあるようです。
ではなぜ、効果が劣る皮下注を日本では行っているのでしょうか?
かつて1960年代に、日本では、抗生物質や解熱鎮痛剤を頻回に大腿に筋注するという医療が行われ、そのために大腿四頭筋が拘縮してしまった人たちを大量に生み出した過去がありました。当時大きな社会問題になり、集団訴訟も行われています。
この惨事は、「おなじ大腿筋に、刺激の強い抗生物質や解熱鎮痛剤を、それこそ10回以上筋注した」から起こったことでした。ですので、量も少ないワクチンを、しかも場所を変えて数回行ったからと言って、筋肉が拘縮したりすることは無いのですが・・・それなのに、その事件以降、「筋注を過度に恐れる」ようになり、ワクチン接種も皮下注になってしまったわけです。
ワクチンの皮下注と筋注の違いについては、以下に参考となる記事を貼付しております。
https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2016/PA03162_02
今回の新型コロナウイルスワクチン=コミナティは、筋注で95%の効果が得られることが分かっていますが、皮下注での投与は行われていないため、皮下注では効果が得られるかは不明ですし、理論上は効果が劣る可能性が考えられます。
この「ワクチン筋注について」ですが、
皆様も、B型肝炎ワクチンや、ニューモバックスなどについては筋注で投与されてきたことと想像しますが、
全成人住民対象という多数の人に、ワクチンを「筋注」することは、日本の医療機関では行われていないと思われます。
そのため、ワクチン筋注の具体的な方法について、十分理解して行うことが重要です。
次の記事で、その具体的な方法についてご説明致します。