米国CDCが「Pfizer-BioNTech社製新型コロナワクチンおよびModernaワクチンは、無症候性感染も90%抑制」と発表

 

米国CDCは、Pfizer-BioNTech社製新型コロナワクチン接種後、一部の医療従事者などに対し行われている、一週間ごとのPCR検査の結果から、

 

「二回接種後の、無症候性感染を含む感染を予防する効果は90%」

 

と、発表しています。

(一回目接種14日後でも80%の予防効果も発表しています。)

 

www.cdc.gov

 

無症候性感染も防げるのであれば、コミナティの接種は、自分自身を守るためだけではなく、医療機関を利用する患者さんを守ることにも繋がります。

 

二回目の接種後に30%超の人が発熱するという、なかなか辛いワクチンですが、自身も患者さんも守るために、頑張ろう…と、そう思いました。

アストラゼネカ社製ワクチン後に問題となっている血栓症は、Pfizer-BioNTech製ワクチンでも起こるのか?

アストラゼネカ社製ワクチンが静脈血栓症を起こしやすいのかは、まだはっきり証明されてはいません。また、現在の報告では、「10万人に1人の血栓症患者が発生した」のですが、これは自然に発症する静脈血栓症より多いとは言えない可能性もあると言われています。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMe2106315?query=RP

 

 

アストラゼネカのワクチンの血栓症と、Pfizer-BioNTechワクチンの関係はどうなのか?」というご質問を受けました。

 

まず、日本ではきちんとした報道がなされておらず、日本の報道からは、いかにも、「動脈硬化の人に起きるような脳梗塞を起こす」と誤解してしまうかも知れません。しかし、以下の報告の示す通り、「脳の動脈が閉塞する」のではなく、報告されているものの多くは、「脳を含む静脈の血栓症」で、動脈の閉塞による脳梗塞は一部でしかありません。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2105385?query=RP

 

www.ema.europa.eu

そして、これらの「静脈血栓症」については、ワクチン非接種者の基礎疾患などには関連していないようで、60歳未満(一部の報告では特に50歳未満)の女性が多い傾向にあります。

 

ですので、例えば・・・「80歳の男性で、以前に小さな脳梗塞をやったことがあるから、コロナワクチンを接種して脳梗塞になるのが怖い」といったことを過度に心配する必要はない、と、言えます。(むしろ、病気のない、若い女性に、アストラゼネカワクチンを接種する場合は、いろいろ考えなければならないのかもしれません。)

さて、どのような機序でそのような静脈血栓が生じるのか?については、まだはっきりとしたことは分かっていません。静脈血栓症の患者さんの血液の検討からは、「血小板に対する自己抗体が出来てしまうのではないか?」という報告が複数なされていますが、それがアストラゼネカ社製のワクチンとどう関係するのかは分かっていません。

 

皆様が接種される、Pfizer-BioNTech社製ワクチンと、この血栓症との関連についてですが、現在までのところ、静脈血栓症が生じやすい、という報告はなされていないようです。論文にも示されていますように、イスラエルでの2回接種後の400万人のデータでも、静脈血栓症の報告はなされていないそうです。

現段階の情報では、「アストラゼネカ社のワクチンは、静脈血栓のリスクが否定できないが、Pfizer-BioNTech社製のワクチンについては、血栓の危険を考慮して接種を控える必要はない」と言えます。

 

※接種を受けられる方で、心配や疑問がおありならば、遠慮なく中島医院城田に相談して下さい。

 

 

 

コミナティ希釈、分注に携わる薬剤師の先生方へ

Pfizer-BioNTech社製新型コロナウイルスワクチン「コミナティ」の希釈、分注については、コミナティの特性として、

 

「脂質の微小球で出来ているため、非常に壊れやすい。バイアルに衝撃を与えたり、バイアルをシェイクしたり、針で吸引する際に急速に陰圧をかけると、微小球が破壊されワクチンの効果が消失する」

 

「ワクチンのmRNAは非常に壊れやすく、上述のようなことが起こるとやはり壊れてしまい効果が消失する」

 

「1バイアルの量に余裕がないため、注射器への分注にちょっと失敗すると、既定の本数が取れない」

 

といった問題があります。

 

そのため、希釈、分注については、注意と、練習が必要です。

 

以下に、希釈法、分注法についての解説動画を貼付しておりますので、ぜひご覧ください。

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

これらの動画に記載されていない点で、注意すべき点につきまして、実際に医療従事者優先接種を行っている、公立岩瀬病院薬剤部様からのご意見を以下に記載しておきますので、御参考下さい。

 

1.1バイアル分の分注には、10分~15分かかる。

 

2.メモリの間違いや、転倒混和回数の間違えが起こりやすいので、三人でチェックしながら行っている。

 

3.生食をバイアルに注入する際に、圧力がかかるので注意が必要。

 

4.バイアルに6回針が刺さるので、バイアルゴム栓からワクチンが漏れ出してしまう可能性がある。そのため針を刺す場所はその都度変えることはもちろん、針を刺す方向も統一するようにしている(針を刺す方向がずれると、ゴム栓からの漏れ出しが生じやすくなる)。

 

5.簡単に泡立ってしまうので、生食を注入するときや、ワクチンをシリンジにとるときなどはとにかくゆっくり行う。

 

6.シリンジの25G針が曲がりやすく、実際に曲がってしまって針だけ取り換えるということがあった。

 

7.遮光が必要。遮光用の袋を使って、ワクチントレーを覆っている。

 

なお、中島医院では、医療従事者向け優先接種期間に、実際にバイアル希釈、分注を行っている看護師からのレクチャーの機会を設けることを予定しております。

 

 

コミナティ接種後の、発熱などの副反応について

「友人が新型コロナワクチン接種後に38℃を超える発熱があって大変だったが、自分たちの接種後にそういうことがあったらどうすればよいのか?」とのご質問を頂きました。

 

今回接種されるコミナティは、免疫応答が非常に良好で、95%の効果があるとの結果が出ています。そして、免疫応答が良好である分、接種後の免疫反応も強いと考えられ、そのために接種後の発熱や、全身倦怠感は、頻度の高い反応のようです。

 

今回の日本での医療従事者への接種において生じた反応については、順天堂大学にて集計され、報告されています。以下をご覧ください。

 

https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000767205.pdf

 

資料内に、局所の反応と全身の反応についてのグラフがあります。これによると、一回目の接種では発熱は数%程度ですが、二回目の接種後は、37.5℃以上の発熱は35%超に生じ、そのうち、38℃以上の発熱は、接種者全体の18%程度の高頻度で生じています。

 

そして、グラフに示されている通り、若ければ若いほど免疫力が強いため、発熱の頻度も高くなっています。逆に、高齢になると、あまり発熱しないようです。

発熱は接種当日から翌日に生じるようですが、接種した翌々日には低下するとのデータとなっています。欧米でも同様に報告されていますため、発熱しても一日程度で下がるようです。

 

当院としましては、接種後の発熱対策として、翌日が半日勤務や休日となる、金曜日と土曜日を接種日に設定しております。

 

なお、接種後に発熱した場合には、アセトアミノフェンカロナール)や、イブプロフェンの内服を行うことが出来ます。接種前の事前の内服は、ワクチンの効果を下げる懸念が否定されていないため、推奨されていません。

接種後の発熱が心配な方は、接種前にお勤めの医療機関の先生にご相談下さい。

 

 

やはり、石川郡全体で30人分のワクチンが不足する見込みです。

県中保健所からの情報によれば、4月12日~4月19日までに到着予定のワクチンについて、石川郡での30人分の不足が見込まれる状況に、変化は無いようです。

 

そのため、非常に残念ではありますが、石川町内での接種につきましても、当初の申し込みの方の中の一部の方につきまして、接種の延期が必要になると想定されます。

 

しかしながら、5月中に再度のワクチン供給が行われる見込みであります。今回、一部の方の接種が延期となる可能性がありますが、それらの方々につきましても、5月中には接種が可能となる見込みです。

 

石川町の接種施設である当院としましては、接種の延期をお願いする方を、どの方とすべきかにつきまして、公平な基準で検討していく所存です。

 

石川町内に分配されるワクチン数が決定するのは4月13日以降となる見込みです。ワクチン数が決定次第、各事業所様にご連絡差し上げる予定でおります。

 

 

ワクチン供給数に30人分の不足がでる模様です。

県中保健所からの連絡によれば、石川郡の医療従事者への優先接種用のワクチンの供給について、

 

「現段階では、30人分のワクチンが不足する見込み」

 

となっております。

 

県中保健所としては、不足分のワクチンの調達に尽力されるそうです。

 

しかしながら、今回福島県全体に供給されるワクチンについても、「福島県全体では一万人分不足」しているそうで、調達が完遂できるかの状況は不安定と考えるべきと思われます。

 

そのため、ワクチン接種日程については、変更や再設定が必要かも知れません。またご連絡いたします。

 

さらに、不足が出ている以上、ワクチン接種人数の管理については、非常に厳密な管理が要求されます。接種人数に変更がありますと非常に難しい局面となる可能性がありますため、皆様のご施設で接種人数にご変更がある場合は、中島医院城田宛にご連絡下さい。

 

 

<<<朗報 E484K変異にもコミナティ高効果の可能性>>>

現在、日本国内で流行している変異型ウイルスは、西日本で流行している英国型(B.1.1.7)と、東京で確認された新しいタイプの変異型です。

 

英国型変異についても、これまでの基礎的研究及び疫学的研究から、コミナティは十分高い予防効果があるだろうと考えられております。この、「英国型へも十分効果あり」というのは、おそらく世界全体でのコンセンサスとなっていると思われます。

 

しかしながら、東京で確認された新しいタイプの変異は、スパイクの「E484K」の変異が認められ、このE484Kの変異については、基礎的研究からは、「ワクチンの効果が減弱するのでは?」という意見がありました。

 

ところが、今回、あくまで通信社のニュースレベルの情報ですが、ロイター通信によれば、

南アフリカで行われたコミナティの治験において、800人という少ない人数ながら、コミナティはE484K変異を持つ南アフリカ型変異(B.1.351)に対して、100%の予防効果を示した」

と、報道されております。

 

治験人数が800人と少ないので、なんとも言えないのですが・・・十分高い予防効果の可能性が示唆されると考えます。

 

jp.reuters.com

 

もちろん、今後の推移を見守らなければなりませんが、少なくとも、接種を希望される一般の方々から質問を受けた際には、希望を伝えることが出来そうです。