コミナティ希釈、分注に携わる薬剤師の先生方へ

Pfizer-BioNTech社製新型コロナウイルスワクチン「コミナティ」の希釈、分注については、コミナティの特性として、

 

「脂質の微小球で出来ているため、非常に壊れやすい。バイアルに衝撃を与えたり、バイアルをシェイクしたり、針で吸引する際に急速に陰圧をかけると、微小球が破壊されワクチンの効果が消失する」

 

「ワクチンのmRNAは非常に壊れやすく、上述のようなことが起こるとやはり壊れてしまい効果が消失する」

 

「1バイアルの量に余裕がないため、注射器への分注にちょっと失敗すると、既定の本数が取れない」

 

といった問題があります。

 

そのため、希釈、分注については、注意と、練習が必要です。

 

以下に、希釈法、分注法についての解説動画を貼付しておりますので、ぜひご覧ください。

 

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これらの動画に記載されていない点で、注意すべき点につきまして、実際に医療従事者優先接種を行っている、公立岩瀬病院薬剤部様からのご意見を以下に記載しておきますので、御参考下さい。

 

1.1バイアル分の分注には、10分~15分かかる。

 

2.メモリの間違いや、転倒混和回数の間違えが起こりやすいので、三人でチェックしながら行っている。

 

3.生食をバイアルに注入する際に、圧力がかかるので注意が必要。

 

4.バイアルに6回針が刺さるので、バイアルゴム栓からワクチンが漏れ出してしまう可能性がある。そのため針を刺す場所はその都度変えることはもちろん、針を刺す方向も統一するようにしている(針を刺す方向がずれると、ゴム栓からの漏れ出しが生じやすくなる)。

 

5.簡単に泡立ってしまうので、生食を注入するときや、ワクチンをシリンジにとるときなどはとにかくゆっくり行う。

 

6.シリンジの25G針が曲がりやすく、実際に曲がってしまって針だけ取り換えるということがあった。

 

7.遮光が必要。遮光用の袋を使って、ワクチントレーを覆っている。

 

なお、中島医院では、医療従事者向け優先接種期間に、実際にバイアル希釈、分注を行っている看護師からのレクチャーの機会を設けることを予定しております。